last modified on [2003-02-18 03.17 (JST: GMT+0900) @803]
Author: 河本孝之 (Takayuki Kawamoto, aka philsci);
1st appeared on 20th January, 2002 (1st edn.: 20th May, 2000; 2nd edn.: 4th April, 2001);
Revised on [10th February, 2002], [7th April, 2002], and [17th and 18th February, 2003].
Acknowledgement: thanks to ayamame, Fizz.oO, Fuji, hideh, Toshiyuki Itakura, Naoto Kanzaki, ken, Ks, ManiMani, Yusuke Mizukoshi, N&R, Hirohisa Teramoto, Taro "O_SAKANA" Todoroki, and especially to the LiteStep Documentation Effort Team.
Copyright©2000-2003 by Takayuki KAWAMOTO.
Permission is granted to copy, distribute and/or modify this document under the terms of the GNU Free Documentation License, Version 1.1 or any later version published by the Free Software Foundation; with the Invariant Sections being LIST THEIR TITLES, with the Front-Cover Texts being LIST, and with the Back-Cover Texts being LIST.
A copy of the license is included in the section entitled "GNU Free Documentation License" [translation in ja].
Microsoft® Windows® のユーザーインターフェイスは、Windows 95 に実装されたエクスプローラ(Explorer.exe)と共に版数を重ねながら変貌してきました。Windows 98 に実装されたエクスプローラは、ウェブ・ブラウザとして開発されてきた Internet Explorer 4.0 とコンポーネントを共有し、デスクトップに表示される壁紙の代わりに HTML ページを表示するとか、ファイルマネージャとして表示しているフォルダの中身にリンクポインタを追加するといった「デスクトップ統合」を果たしています。そして本ウェブサイトの他所でも述べたように、将来はローカルとリモートの区別なくリソースを管理するため、ユーザーインターフェイスの拡張は更に進むでしょう。
Windows は基本的にグラフィカルなユーザーインターフェイスでの運用を期待されているため、エントリーユーザーは言うまでもなく Windows マシンをプログラムやウェブ開発に運用しているユーザーも、殆どのケースにおいてエクスプローラの提供するデスクトップ環境でアプリケーションを使い、また Windows そのものをカスタマイズしています。しかしながら、エクスプローラの作り出すデスクトップ環境にはユーザーを混乱させたり、メモリを不必要に消費する要素が数多く指摘されており、また際立って使い易いユーザーインターフェイスでもありません。更に、Windows 2000 シリーズで透過処理、Windows XP ではウインドウの描画に関連する API の拡張が行われましたが、デスクトップ環境をユーザーがそれぞれの嗜好に合わせてカスタマイズできる範囲はきわめて限られています。
そういう次第で、古くは 16 ビット Windows の頃から「互換シェル」(alternative shells, shell replacements)が開発されてきました。LiteStep もこうした互換シェルの一つであり、グラフィカルなデスクトップ環境で利用する互換シェルの中では、恐らく最も多くのユーザーと開発者を抱えています。そこでこのチュートリアルでは、LiteStep を導入する手順を解説し、LiteStep の設定ファイルである step.rc ファイルの書式について述べ、更に LiteStep の基本的なコンポーネントとして提供されている幾つかの「モジュール(module)」を設定して、エクスプローラのデスクトップから LiteStep のデスクトップへ移行するための基本的な情報を提供します。
以下で提供する解説を参考にすれば、はじめて LiteStep を導入する人でも自分のデスクトップ環境をなんとか作り上げられるように解説したいと思っています。但し、このドキュメントは「マニュアル」ではありません。つまり、LiteStep のシステムを遺漏なくあらゆる点に渡って解説しているわけではありませんし、その理由もないと思います。プログラマーの諸氏が LiteStep の構造について知りたいと思うなら、まずはソースコードを入手して読むべきです。また、はじめて互換シェルを使う人が「そもそもシェルとは何か」という問いへの答えを求めているなら、このウェブサイトにある他のセクションを参照していただければよいでしょう。そして「LiteStep に何ができて何ができないか」は、モジュールの種類も 100 以上あって更に機能の拡張が進んでいる途上にあって明言すべきではないと思います。ですから、このチュートリアルでつかめない点は皆さん自身が情報を探すべきものだと考えて下さい。そのための手がかりはできるだけ多く述べますが、このチュートリアルを LiteStep の全てについて常に最新の情報で提供するといったことは、残念ながら期待できないと考えて下さい。
このチュートリアルは、2000 年 5 月に初めて公開したときから今回の改訂に至るまで、あちらこちらのウェブサイトや掲示板、メーリングリスト、IRC などで情報を提供された数多くの方々がいなければ一行も書けなかったでしょう。ひとまず冒頭には主だった方々の名前を挙げてありますが、ここに名前を挙げた方々だけが僕の記憶に残っているわけではありません(ここに名前を挙げた方々なら、ネット上で「LiteStep を使っている変わり者」の烙印を押されても苦にはしないだろうと思っただけです<笑)。ともかく、まずはこの場で全ての方へ改めて感謝しつつ、このチュートリアルが新しく LiteStep を使いはじめる方々のよい参考となるよう願っています。
このチュートリアルは、はじめから順番に読む方と必要な部分だけを読む方の両方を想定しています。必要な部分を探したい方は、各ページの冒頭に掲げてある小見出しの一覧か、または小見出し毎に末尾へ表示している [contents] をクリックして、目次用のウインドウをご覧下さい。(要・JavaScript)
このチュートリアルは、次に述べる方々を対象にして書かれています。まず、コンピュータや Windows の扱いには慣れているが LiteStep などのエクスプローラ互換シェルを始めて導入するという方です。このような方は以下のチュートリアルに出てくる幾つかの注意書きを読む必要はないと思います。そして、このチュートリアルはコンピュータを使い出して何年も経っていない方々にもできる限り分かりやすくなるよう書かれています。だって僕も数年しか使ってないし(笑。
どのくらいの初心者までをカバーするのかという点について、僕は今のところ或る程度の線引きが必要だと考えています。しかしながら、読んでおられる方の予備知識を見積もって書くのは難しいことですし、ひとたび初心者向けに合わせ始めると幾らでも説明が必要になります。「ドラッグ・アンド・ドロップっていうのは・・・」といった説明をここで期待されても困ります。かといって、どこまでが初心者かというはっきりした基準が存在するわけでもありませんから、あらかじめ皆さんに「これとこれを知っておく必要がある」と書いただけで十分だとは限りません。したがって、このチュートリアルでは「以下に述べている説明の意味が分からない方は、取り敢えず互換シェルを使うのは早すぎる」と言えるくらいのレベルで書くことにしました。
そういうわけで、メールクライアントのように誰もがよく使うソフトウェアとか、あるいはソフトウェア・ベンダーが販売している業務用のアプリケーションなどを除けば、Windows 用のフリーソフトウェア向けに書かれたチュートリアルとしてはかなりの分量になっています。未完の状態だった第2版ですら全てのページを印刷すると 100 ページを超えたという話ですが、恐らく今回の第3版をきちんと全て公開すれば、印刷した際の分量はその数倍になると予想されます。このような分量を予定している理由は、このチュートリアルを公開し始めた当初からの方針ですが、誤解の生じない正確で詳しい記述を心がけたいからです。とは言っても、LiteStep はいまも開発がどんどん進行しているソフトウェアなので、最新版の仕様を常にこのチュートリアルへ反映していくのは難しいことです。したがって、僕は解説するヴァージョン(とりわけその詳細な版数)をあらかじめ決めて、みなさんが同じものを使えば全ての項目が正確に説明できているように書きました。それから後に公開された LiteStep の新しい機能などを調べるのは、みなさん自身なのです。このチュートリアルは、みなさんが自分自身で、日々改良されていく LiteStep と付き合っていくためのガイドでしかありません。
以上の理由から、ここでは LiteStep の基本的な環境を準備するまでの手順しか解説しません。そこから先は、みなさんの手に委ねられています。このサイトで解説している他のページを参照しながらモジュールを付け足していくとか、既に数多く存在している他のウェブサイトから情報を得てカスタマイズしてゆくのは、あなた自身です。「あなたが望んでいるデスクトップ環境を実現するための手順」を一から百までここで解説するのは不可能です。もちろん、それぞれのユーザーが望んでいる全てのデスクトップ環境をあらかじめ予想して解説するのは不可能ですし、そんなことができるなら、みなさんは「自分で」カスタマイズする必要がなくなってしまいます。このサイトは、僕がデスクトップ環境をチューンナップする作業場(workshop)であり、その工程というか作業をみなさんに見ていただく、というつもりで運営しています。ですからこの比喩をそのまま使えば、僕はみなさんのデスクトップ環境を「代わりに作ってあげて納品する」ためにこのサイトを運営しているわけではありません :)
まず僕は LiteStep を Windows98 の上で初めて使い、現在(2003 年 2 月)は Windows XP Professional の上で使っています。ですから Windows 9x/Me 系統の OS についても幾らかの知識は残っていますが、このチュートリアルでは基本的に Windows XP Professional 日本語版での運用を想定しています(また、LiteStep を開発しているチームも動作テストを Windows 2000/XP Professional の上で行っています)。特に注意しない限りは 9x/Me 系統と NT/2K/XP の系統で違いはないと思いますが、どちらかにしか当てはまらない内容の記述も出てきます。ですから、あなたが使っている OS に準じて以下の解説を読んで下さい。
次に動作テストの環境ですが、自宅のマシンと会社のマシンで運用しています。
LiteStep のヴァージョンも幾つかあるのですが、このチュートリアルでは 0.24.6 というヴァージョンを扱います。初めて LiteStep を導入する方はそれほど気にしなくてもよいと思いますが、ウェブサイトによっては 0.24.5 以前のヴァージョンを推奨していることがあります。そちらを入手して既にインストールしている場合には、ここで解説する内容が殆ど当てはまらない可能性もあります。
[Note: 2003-02-02 17.51 (JST: GMT+0900) @410]
2003 年までは、0.24.6 というヴァージョンは非公式と考えられていて、"preview" という但し書きがついていました。しかし、「公式な」LiteStep の開発チームが 2002 年に解散してしまい、現在は後述するように IndieSTEP の開発チームだけが活動しています。この状況を見て、かつての開発チームメンバーだった Message さんは「0.24.6 は IndieSTEP のリビジョン(版数)と見做そう」と言っています。実際、LiteStep のヴァージョンについて公式・非公式を決める責任者や権威などありませんから、僕も彼の意見に従って IndieSTEP を事実上の 0.24.6 と考えていいように思います。
しかし 0.24.6 とは言っても、冒頭で書いたように 2000 年 6 月以降の LiteStep は全て 0.24.6 に当たります。そして次のページで解説するように、LiteStep は一定の開発工程が済んだ段階で "daily build" (developer's build)、また日本ではふつう「ビルド」と呼ばれるベータ版として公開されています。ですから、ひとくちに「ヴァージョン 0.24.6 の LiteStep」と言っても三年前のビルドと一年前のビルドでは数多くの相違があります。
このチュートリアルでは、できる限り新しくて安定しているビルドを 0.24.6 として扱います。いまのところ僕は 2002 年 12 月 19 日に mzks.org で公開された日本語対応版の LiteStep と Independent LiteStep Build and Source で公開されたビルド 2003-02-09 を使っており、これらの解説と入手方法は後のページで詳しくご紹介します。
LiteStep の開発は英語圏が中心なので、公式のドキュメントは英語で書かれています。もし英語を読むことに差し障りがなければ、ビルドに同梱されている更新履歴(changes.txt)をはじめ、以下のウェブサイトを参照して下さい。また日本語で書かれた素晴らしいドキュメントもありますので、それらを含めてまず幾つかの主だったリソースをご紹介しておきます。
英語で書かれた公式のドキュメントは、以下のアドレスで参照できます。
このチュートリアルに書かれている内容について質問したり、訂正すべき箇所をご指摘いただくときは、以下のアドレスにメールをお送り下さい。ちなみに HTML メールをお送りいただいても、件名でスパムと区別できないときは問答無用で削除しています。また、このメールアドレスはページのソースからアドレスを拾い出してスパムを送りつけるソフトウェアに対抗するため、CUTOFFME という余計な言葉をつけています。実際に送信されるときはこの言葉を削って下さい。
また冒頭で述べたとおり、このチュートリアルはコンピュータそのものを使いだして間もない全くの初心者という方は想定していません(また、そのような方は互換シェルの派手な見た目だけに関心があるのだと思いますが、その前に習得すべきことがある筈です)。ですから、僕に宛ててあまりにも基本的な内容の質問を送るのは控えて下さい。「.zip という拡張子の付いたファイルをダウンロードしたけど、これをどうすれば LiteStep が使えるのか?」、「LiteStep というフォルダを作るにはどうすればよいか」・・・このような質問に答えているウェブサイトは、探せば幾らでもあるはずです。初心者の方がたずねる質問の殆どは、既にどこかのウェブページで返答されています。もし探し方が分からなくても、探し方を解説している本や雑誌はすぐに見つかるでしょう。それでもだめならどんなに基本的な質問でも構いませんが、自分のコンピュータをうまくカスタマイズするためには、問題を自分で解決するやり方を身につけなければなりません。
LiteStep に関する質問は、ネットワーク上の様々な場所でやりとりされています。
「メーリング・リスト」は、そのリストへ加入したメンバーに同じ内容のメールをコピーして配信するサービスです。メンバーがメーリング・リストの宛先にメールを送信する(「投げる」とも言います)と、そのメールはリストに加入している全てのメンバーに配信されます。したがって、数多くの購読者がいたら誰かがあなたの質問に答えてくれるかもしれません。
LiteStep を扱っているメーリング・リストは、海外のリストが三つ、そして日本のリストが一つあります。但し、海外のリスト二つは雑談専用だったり廃れているので、お勧めしません。
次に、ウェブサイトの中で運営されている「掲示板」があります(英語のものは割愛)。ここに質問を書き込めば、その掲示板を見た人なら誰でも返答できますから、質問が LiteStep のユーザーでなくても答えられるなら返答をもらえる可能性は高くなるかもしれません。但し、LiteStep の掲示板でコンピュータの使い方そのものを質問するのは不適当です。
掲示板は誰でも気軽に閲覧して書き込みできるため、場所によってはいたずらの書き込みが多く、トラブルも発生し易くなっています。軽い冗談を書き込むならともかく、たとえあなたが小学生であっても許されることと許されないことをよくわきまえて書き込んで下さい(例えば、ソフトウェアの違法なコピーに関する話題、個人の誹謗中傷、ねずみ講、「ねずみ講ではありません」と言うビジネスの紹介<笑、宗教やら怪しげなものへの勧誘などは慎みましょう)。
それから、IRC のチャンネルも #lsmoe, #bluetopaz などがあります(これも英語のは割愛)。
このチュートリアルは、GNU フリー文書利用許諾契約書のヴァージョン 1.1 に準じて公開されます。チュートリアルの本文は、あなたのウェブページ上で自由に複製したり引用できます。但し、原文である当サイトへのリンクと著作権表示を明記して下さい。
なお、「GPL や GFDL に準じる」と宣言しても著作権を放棄したことにはなりません。それどころか、「フリー」という言葉が使われていても GPL や GFDL に準じている成果を販売することだって可能です(したがって、GPL や GFDL で言う「フリー」は「無料」という意味ではありません)。あなたが GPL や GFDL に準じている他人のソフトウェアや文章を複製して再配布するのは自由ですが、あなたの名義で著作権が保護されたりはしませんので、ご注意下さい。日本の著作権法で認められた正当な範囲での引用としてこのチュートリアルの本文を引用する場合には、該当するページにリンクを張っていただくだけで構いません。しかし、チュートリアルの或るページ(本文)を全て複製した場合には、著作権表記も必要です。勝手にあなたの名前で著作権を主張しないようにして、あなたの名前は「改変者」あるいは「複製者」として追記して下さい。
著作権表記のテンプレート・・・要するにひな型は、
Copyright©2000-2003 by Takayuki Kawamoto.
となります(いちおう決まりになっているので、日本語で書いてはいけません)。ちなみにウェブページ上でコピーライトマークを (C) などと書いているページを見かけますが、法的にはこれを著作権のマークとして言い立てることはできません。ウェブページのソースを編集する際に © と書けば、まともなブラウザが正しくコピーライト・マークに変換(実体参照)してくれます。
で、なんでこんなことをやってるのかと言えば、理由は二つあります。第一に、チュートリアルやマニュアルの類はたった一ヶ所のウェブサイトで公開しても多くの人に利用してもらえる保証がありません。ここで「利用してもらう」と言っているのは、単に初心者の方々に読んでもらうだけではなく既に LiteStep を使っている方々にも検討してもらうという意味があります。複数のウェブサイトで公開されれば、それなりにたくさんのユーザーさんに読んでいただけますから、誤りがあっても見つかりやすくなるでしょう。
そして第二に(あまり望ましくないことですが)、この原文にとてつもなくたくさんの誤りがあった場合、あるいは僕が IW の運営を不幸にもやめてしまい内容が古くなった場合に、自由にみなさんが改変できれば、訂正したりアップデートしたチュートリアルをみなさん自身のウェブサイトで公開していただけると思いました(実際、僕は喫煙者なので半年後には死んでいるかもしれません)。
というわけです。願わくばこのチュートリアルがあなたの助けになりますように。